事故当日ボーリング大会をしていたとか、同乗していた職員が現場を立ち去ったとか、驚愕の事実が次から次へと明らかになってくるJR西日本。ニュース解説者や評論家の連中が徹底的に批判している。当然だと思う。遊び呆けていた職員達は死者の霊を一生背負っていくことになるだろう。怨念無念に苛まれる日々はきっと生き地獄に等しいだろう。
だが、果たしてJR西日本だけの問題だろうか。JR西日本の社員が何人いるのか知らないが、数千数万人の巨大な会社で、全社一丸となった危機管理などあり得るのだろうか。それこそ隣の部署はなにする人よ的な風潮はどころの大企業でもあると思う。
確かにニュースを客観的に見れば、そんな非人道的なことは信じられないが、いざ当事者になると感覚が麻痺し無頓着になっているのが現状のような気もする。独立する前、自分もある大きな組織にいた。無能な役員にバカな上司がはびこっていた。もちろん有能で自尊心がたかい上司や役員もいた。しかし、どんなに優れた会社でも一部の腐った人間が勢力を強めると、あっという間にそれは伝染し組織自体が病魔に冒される。一番問題なのは自分が腐って行くことに気が付かない点だ。その会社でも危機管理などなかった。
なんかニュースを見ながら、10年前に起きた地下鉄サリン事件時の営団地下鉄(当時)職員の映像とオーバーラップした。もちろん状況は全く違うが、方や乗客救出で殉職した職員がいる会社があるというのに、昼間から宴会している会社の職員もいる。同じ鉄道でもこんなに違うのは、単に組織の問題だけで片づけられない。
自分がもしこの事件の時に後部車両に乗っていて、どうしても外せない重要な仕事があったら、果たして先頭車両まで行って救出作業を手伝っただろうか。当然手伝うと思う。だが、本当に手伝うだろうか・・・。邪念をもったもう一人の自分がそう問いかけてくる。
今回の事故は(事故ではなく事件と思うが)、きれい事を言う自分と、保身に走る自分の、両面に問題を投げかけられているようで、考えさせられることが多い。馬鹿な人間を批判するのは簡単だ。昼間から酒を飲んでいる連中や、現場を立ち去った運転手を非難するだけでは、なにも解決しない。
もし自分が被害者だったら。もし自分が同乗者だったら。もし自分の家族が被害者になったら・・・
とにかく亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、遺族の方々に心の平穏が早く訪れることを切に願うばかりだ。
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