先日、地下鉄構内で、前方にすごくスタイルのいい女性が歩いていた。距離にして60mくらいだろうか、足がスラリと長く、ストレートの髪もサラサラしているのが離れていても分かるほど。モデルさんかな? などと思いながらちょっと歩くスピードを速める。彼女もけっこう大股で歩いているのでなかなか距離が縮まらない。そうなると、なんか無性に見たくなる。こちらも負けじと早足に。
ようやく10mくらいに近づいた。身長は170cmくらいだろうか、黒のスラックスに黒のタートル。そして同じく黒のダウンのベスト。たぶんD&Gと思う。実にセンス良く着こなしている。髪の毛は遠目で見たとおり、まるでシャンプーのコマーシャルに出てきそうな、キューティクルの天使の輪が何重にも輝いている。漆黒に近い幻想的な黒髪。まるでアジアンビューティーとでもいえば分かるだろうか。
ヒールを履いていないのに身長の半分以上もあるような長い足。タイトなスラックスにも関わらず、パンティーのラインが出るようなミスも犯していない。小さなヒップに長く伸びた手足。きっとファッションモデルだろう、と勝手に想像する。
彼女はベンチにバッグを置いた。しかし、自分は座ろうとしない。さすがモデルだ、地下鉄の固いベンチではヒップラインが崩れる。日頃からの精進が美しさの秘訣なのだろう。距離は5mに近づいた。彼女の顔を見る絶好のチャンス!
が、彼女は前屈みでバックの中を覗き込んだ。長い髪が邪魔して顔が隠れてしまった。距離は2m。どうする、後がないぞ。ここで急に立ち止まるのは変だ。残念・・・と思った瞬間、荷物を入れ直した終わった彼女は、バックルをパチンと閉じると、長い髪をかき上げながら突然振り向いた。やった!その距離1m。
「・・・・・・!」
笑福亭 笑瓶が物真似する、よし子ちゃんみたいな顔だった。痛い・・・
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