新年早々怒濤のバーゲン巡りが毎年の年中行事。池袋〜新宿とぐるっと廻ったらもうヘトヘト。なんか途中で自分は何が欲しいか分からなくなって、訳の分からないものを買いそうになった。イカンイカン、バーゲンという荒波に飲まれそうになった・・・。
そんなときホッとするのが時計売り場。衣料品と違って誰もいない。ちょっと疲れたら目の保養に時計サロンに行くのが、これまた正月の年中行事。新作を見て回ったり、お気に入りのブランドの定番商品を見たりと、ウインドショッピングだけでも結構楽しめる。
が、えてして時計売り場にはムカつく店員も多い。妙に気取って高級品を扱ってますよ的な客を値踏みする視線を平気でよこすヤツも多い。そういった輩はけっこう時計の知識が無かったりする。池袋の東武百貨店に行ったら、いましたそんな店員が。
例のごとくPANERAIコーナーにいた店員に、ラジオミールの質問を投げかけてみた。
「ラジオミールのベーシックなやつは置いてないですか?」
「・・・・2年前に廃盤になりました」
「???。ラジオミールですけど」
「そうです。ずいぶん前に無くなりましたよ。ここに出てるだけです」
と店員はフライバックやクロノグラフのモデルを指さす。
「そんなはずは無いんだけど・・・ベースのモデルですけど」
「もう無いですねぇ」
段々イライラしてきた。PANERAIのカタログがあったのでラジオミールのベースのページを開いて店員に
「これのこと言ってるんですけど」
と言うと、店員はようやく気が付いたようで
「ああ、それですか。それは予約で一杯です」
「・・・・・・・。」
確か、舶来時計は東武がやっているのではなく何処かの時計屋がテナントで入ってる。だから店員は東武の人間じゃない。とはいえ接客態度のあまりのレベルの低さに閉口する。質問されて分からなければ「お調べします」と答えればいいし、予約で一杯ならば「申し訳ございません、数量が少ないため完売となってしまいました」と、まず詫びを入れるのが筋だろう。
自分が時計を買うときは夢も一緒に買おうと思っている。だから買うまでのプロセスも価格のうちだと思っている。店員の接客態度が悪い店では買わない。めでたく東武百貨店ブラックリスト入りである。
バーゲン会場をうろついていて気になったのが、バチモンの時計を平気でつけてる人が結構多いこと。これはどうかな・・・。時計好きから言わせると、眉をひそめたくなる。男の価値って身につけてるモノでも磨かれ度合いが変わるわけで、偽物に満足するようになると本物の見極めが出来なくなる。
高いモノが良くて安いモノがダメと言っているのではない。1万円のロレックスやカルティエの偽物を付けるくらいなら、数千円のスウォッチの方がずっとセンスを感じるし、カシオやシチズンの方がずっといい。例えば国産車をなんちゃってフェラーリに改造して乗っていたらどう思うだろう。私はそんなクルマを見たらバズーカ砲で撃ちたくなる。香港製のいかにも安っぽいバチモンの時計は、男のセンスまで安っぽくする。バーゲンでどんな高い洋服を買いそろえても、時計や靴がダメダメ君じゃ粋なオヤジにはなれない。
安くてもいいからオリジナルデザインで他とは違う個性を目利きができる、そんな男に魅力を感じる。偽物はどんなに頑張っても偽物。本物に変身する訳がないのだから、結局持っているのがむなしくなるだけ。モノの価値って、価格ではなく、どれだけオリジナリティがあるかだと思う。
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