正月早々仕事が怒濤の忙しさで、全然ゆっくりする間もない。忘年会から新年会と暴飲暴食がたたって胃もキリキリと痛い。胃に優しいものでも食べようとスーパーに買い出しに行った。毎日コンビニの弁当では体を壊してしまう。さすがに三連休の真ん中、駐車場もガラガラだ。RZに大根やらネギやら積んでると変な目で見られるが、今日はその心配もない。
昼と夜の献立を考えながら、食料品売り場をうろつく。まるで主婦だな、なんぞ思いながら、結局お酒も買ってしまう。酒やめれば胃も治るんだろうけど、止められないのが左党の性。事務所に行って、早速料理開始。
元々料理を作るのは嫌いじゃない。というかどちらかというと好きなくらいだ。いつかは飲み屋の一件でも出したいと思っているので、その時のための練習にもなる。なんて思いながら大根をすり下ろしていて、あることに気が付いた。
料理店というのは毎回同じ味を出さなくてはいけない。決まった味を頑なに守らなくては、固定客も付かなくなる。だが、デザイナーという職業は全く正反対で、同じ事を二度とやってはいけない。毎回変えてモノを作らなくてはならない。シェフとデザイナーというのは、対局の存在ではないのか。もちろん、シェフも新メニューを考えたり、料理を改良したりと変化を要求される場面もあるだろう。デザイナーとてCIやVIといったアイデンティティーを守らなければ行けない場面もある。
が、デザイナーというのは、既成概念や固定観念を壊すことから仕事が成り立っている。果たしてそんな性格の人間が、毎回同じ味で料理など作れるのだろうかと自問自答してみる。
う〜ん、難しそう。考えてみると自分の作る料理、毎回味が違うのである。正確には味を変えないと気が済まないのである。こりゃ料理を出す飲み屋は無理だな。乾きモノしかないショットバーが限界かなぁ、なんてすり下ろした大根を満足げに見つめるのであった。
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