昨晩深夜にNHKをなんとなく見ていたら矢沢永吉の特集をやっていた。『永ちゃん 俺たちはもう一度走れるだろうか』の再放送。
40〜50代のオヤジ達と永ちゃんとの関わりを、作家重松清が語るNHKスペシャルだった。リストラにあった人間や、自己破産の菓子職人やら、嫁に足蹴りされるうだつの上がらない男たちの姿を追う。でもみな永ちゃんの「成りあがり」の本をボロボロになるまで読み、いつかはビックになってやろうと思っている連中だった。
もちろんテレビだから極端な例を出してるにすぎないが、ダメダメ君な同世代のオヤジ達を見ていて、なんか嫌〜な気分になった。出てくる人がすごく生活に疲れている。誰だって中年になれば色々あるわけで、疲れるのも当然だけど、客観的にダメ男を見せられると・・・・ねぇ。
そんな彼らも永チャンのコンサートでは新調したスーツとタオルを持って、ティーンエージャーのように拳をあげ、タオルを首に巻き、絶叫している。永ちゃんからパワーをもらうために。
矢沢永吉の事はほとんどなにも知らない。昨年うちのバンドで永ちゃんの曲をやるというので初めて聴いたくらい。それまで曲もファンキーモンキー〜くらいしか知らなかったし、「成りあがり」の本も出版当時ベストセラーになったが、読もうと思わなかった。テレビを観ていて、永ちゃんを神のようにあがめてるファンが多いことに驚いた。まるで宗教のようだった。
そんななか重松がインタビューする「そんなファンの心理をどう思いますか?」。矢沢はこともなく答える「誰かのためにやってる訳じゃない、自分のためにやってるだけ」
1998年にマネージャーの詐欺で35億円の借金を背負ったこの男は、なんと昨年ですべて返済したそうだ。7年で35億の借金を消し去るパワーは、やはり本当の成り上がりなのかもしれない。果たして世の中の経営者でそれだけの負債を取り戻せる人間がいるだろうか。矢沢の生き方がカッコイイとは思わないけど、ダメオヤジが心酔する気持ちはなんとなく分かったような気がした。
矢沢永吉56歳。ロックな生き方だなぁと思った。
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