シースルーバック

私のBlogを読んでくれ人は物好きな人が多いと思う。風変わりな事が好きという意味ではなく、個性あるプロダクツをこよなく愛し、ちょっとこだわりを持って生活を楽しんでいるような人。コメントやメールを頂いているとそんな感じがする。
モノって不思議な存在だと思う。機能だけを見ればいらないモノはそこら中にある。でも、いらないモノを片づけてしまったら、なんとも味気ない生活になるだろう。車だって走ればいい、時計だって分かればいい、置物や飾り物なんて不必要・・・なんて発想は思いつかない。
車好きの人も多いと思う。車のなにが好きなんだろう？速さ、デザイン、機能・・？
東京モーターショーの時だったかエンジンルームを覗き込みながら、「最近の車は樹脂パーツだらけでシーリングされちゃって、なんかラジコンカーみたいですね」と話しかけたら、「エンジンルームなんて開ける人いませんから」と苦笑いされた。確かに最近の車はメンテナンスフリーで、勝手に開けるなと書かれたパーツも多い。新しい車とみればすぐにボンネットを開けてアクロバット的に覗き込むのは我々のような変態オヤジだけということか。
時計のシースルーバック。時計を付けてるときは絶対に見えない。必要ないといえば全くもって必要ない。が、家に帰って疲れたなぁと思いながらソファーに腰掛け時計を外す。ふと裏側を見ると髭ゼンマイが細やかな動きで永遠の時を刻んでいる。その動きをぼんやり見つめていると、もう一つの別な自分の空間に身を任すことが出来る。なんてこともある。
性能を優先させるのは当然だけど、車も、もう少し見せるための機能というのがあってもいいのではないかと、時計の裏側を見ながらふと思った