健康診断

今日は健康診断に行ってきた。社会保険がやってる集団検診。でっかい会社なら医者を呼んで社内で受けるんだろうけど、うちみたいな吹けば飛ぶような会社はお伺いしなくてはならない。人でごった返す新宿の駅を抜け、新宿検診センターまでスゴスゴと向かう。歌舞伎町を抜け、ホスト街を抜け、ラブホテル街を抜け、韓国人街の中にある検診センターに辿り着く。世界の凝縮を見ているようでこのコースは毎回楽しい。最後が病院というのが実にクールだ。
しかし、検診センター内はすごく嫌い。行った事ある人なら分かると思うが、200人近いオヤジが病院のパジャマ（なんて呼ぶの？）に着替えて、ずらっと座ってる姿はある意味、恐怖映画を見ているようでゾクゾクする。自分も含めて疲れた顔のオヤジが無表情に座っている。太ってる人、やせてる人、眼鏡の人、はげの人・・・でも、服装は全員同じ。きっと刑務所ってこういう所なんだろうなって思ったりする。
本当に逃げ出したいほどむさ苦しいのである。
Pink Floydの『The Wall 』の世界とでも言えばいいのか、『Another Brick In The Wall』の歌が頭の中でぐるぐるリピートする。
順番を待ちながらボーッと他の人の顔を見ていると、当たり前なんだけど「なんで人の顔ってみな違うんだろう？」なんて思ったりする。目と鼻と口と付いてるパーツは同じなのになんで違うんだろう。人類が誕生してからどれだけの人間が産まれたのだろうか。何兆億人とか？それだけいれば過去には全く同じ顔があって不思議じゃない。もし、自分と全く同じ顔の人間が江戸時代にいたら・・・・番傘でもつくってる落ちぶれた浪人だろうか、はたまたお嬢様に恋をしてるチリメン問屋の小作人だろうか・・・なんてつまらない事を想像していたら、採血の順番で呼ばれた。
窓の外の朝鮮人街を見ながら順番を待っていると、なにか凄い目線を感じた。
「な、なに？」

振り向くと腕に針を刺されようとしているオヤジが凄い形相でこっちを見ている。
「なな、なに？」
と思ったら今度はその横に順番で座ったオヤジが腕に消毒の脱脂綿を擦られたとたん、いきなり急にこちらを向いてこれまた凄い顔で睨み出した。まるでエクソシストの女の子の顔がぐるっと回った時のように・・・
（立ち去れエクソシストども！）と心の中で叫ぶ。
よく見ると注射が嫌いなオヤジが、刺される瞬間針からグッと顔を背ける好位置にどうやら俺が立っていたらしい。子供じゃないんだから注射ぐらいで大のオヤジが顔をのけ反らすなよ。危うく聖水をかけるところだった。
まあ、そんな珍問答を繰り返しながら検診終了。採血の結果は後日だか、その他は即日公示。どれどれ結果のほどは・・・・。肥満度『-7.8％』体脂肪『17.5』よしよし順調。中性脂肪は昨年の78から45に減少。これまたよし。が、総コレステロールは減少してるといえども思ったより下がってない。体脂肪が低いのにコレステロールが高いというのは血管内に脂肪が集中してるってことでしょうな。運動不足が如実に数値にでている。運動しなくちゃ。
で、一番気になる『尿酸値』は・・・がっはっは、予想通り高くなってるぜ！！これも想定の範囲内だ。というか先月は自分でも自慢できるくらいビールに漬かっていたからね。でも、総合的には視力と尿酸値以外は昨年よりすべてクリア。これも野菜パワーのおかげです。
さて、ビールをとるか健康をとるか。究極の選択だ・・・