モノを買うときは縁がとても重要だと思っている。なにかに導かれるよう体が自然に動いて気がつくと目の前には、遠距離恋愛の恋人がホームで別れたくないと視線をおくっているような『モノ』がそこにあったりする。別に買ったことを正当化するために無理に理由をつけるのではなく、誰にでもあると思う、買う目的で行ったのではないのに気がついたらしっかり『視線をおくっていた商品』を握りしめていた経験が。出発のベルが鳴っているのに恋人の腕をホームで離さないように・・・・
今日は仕事で使う画像素材を買いに新宿に行った。ついでに、デジカメを移植できるようなジャンクな古いカメラが無いかと、ユーズド店を覗く。「やはりLeicaは高いなぁ・・・」などと思いながらずらりと列んだM3を眺めていると、一つだけ桁が違う商品があった。「一桁抜けてんじゃない」と思いながらプライスリストを見ると・・・なんと!自分が産まれた年の製造。う〜ん呼んでる。でも安すぎる。なぜ?
多少の小キズはあるが、俺より全然健康そうだ。なにかの本で「激安ライカには手を出すな」と書かれてあったのを思い出す。しかし、気になる。店員に安い理由を尋ねると、ファインダーのバルサム切れのためだそうだ。確かによく見ると淵の部分に剥離がある。が、神経質なライカオーナーならいざしらず、曇ってなにも見えないようなCanonetを使ってる自分からすると気がつかないほど微妙なレベル。他の機構部分はまったく問題ないそうだ。しかし、安いのが逆に不安・・・・
前から自分の産まれた年と同じ古いカメラは欲しいと思っていた。しかし、フィルムカメラを今更という気もある。それにライカに特別な思い入れもあるわけでもない。ただM3の形は究極のスタンダードと思っているので、この価格にこのコンディションなら失敗してもいいという気になってくる。
握った時の『たたずまい』が実にしっくりくる。モノを買う時って、この瞬間が一番大事で、すごく憧れていたのに持った瞬間「あれっ?」って思う事も多い。しかし、こやつは違っていた。ジャンク品を探していて、いざジャンクが出てくると躊躇するのもおかしな話だけど、持った瞬間その不安は吹き飛んだ。
「これください!」
レンズはジャンクものは嫌だったので、キズ、クモリがない近年もので探してもらうと、これまたビックリするような価格のエルマー沈胴式50mmが裏から出て来た。レンズを合わせても他のM3ボディー単体より安い(笑)・・・う〜ん、まぁそれも有りだろう。さあ、ちゃんと撮れるか晴天の日が待ち遠しい!
話は変わるけどこの写真はオリンパスのE-20で撮った。最近Blogの写真はIXY1000ばかりで手を抜いていたので、久々にちゃんと撮ってみる。やはり物撮りはオリンパスE-20だな。自分が思った通り撮れるのでまだまだ現役中!