ふふふ、待ちに待ったDVDが届いた『大藪春彦 野獣BOX』。大藪春彦である。野獣BOXである。なにも語る必要は無い。
・・・と、いいつつ語らなくてはいられない自分がちと可愛い。
収録作品は以下
◯野獣死すべし(モノクロ/本編95分/1959年度作品)
◯「みな殺しの歌」より 拳銃よさらば(モノクロ/本編87分/1960年度作品)
◯野獣都市(カラー/本編88分/1970年度作品)
◯野獣死すべし 復讐メカニック(カラー/本編86分/1974年度作品)
◯野獣の肖像~大藪春彦(特典ディスク)
くぅ〜たまらん。『野獣死すべし』と聞いて1980年の松田優作主演の角川映画を思い浮かべたあなた。まだまだ。あれはあれで確かにしっかりした作品だが、シナリオがあまりにも原作を無視し過ぎで、大藪ファンとしては駄作極まりない。あの作品に『野獣死すべし』のタイトルはつけて欲しくなかった。伊達邦彦は伊達邦彦でなくてはいけない。中途半端に精神異常を起こすようなキャラクターではないのだ。
本作品は仲代達矢主演のオリジナル作品。さすがに1959年なのでリアルタイムで見た訳じゃないが、高校時代、東武東上線の上板橋東映(懐かしいなぁ)という名画座でリバイバル上映された時は飛び上がるほど嬉しく、学校さぼって観に行った。モノクロ作品がもつ強力な陰影。クールでシャープなニヒリズムの境地。デビューまもない仲代の虚無的な猟奇あふれる眼差し。まさに伊達邦彦そのものだった。
当時はまだレンタルビデオなんて無い時代。大藪ファンの間では幻の作品といわれ、雑誌ぴあで名画座の上映プログラムを探しまわるのが日課だった。それがなんと30年近くたった今、シネスコサイズでDVDで観られるのだ。歓喜極まりない。
さらに『野獣死すべし 復讐メカニック』まで付いて来ちゃう。こちらは本郷猛・・・じゃなく藤岡弘主演。1970年前半はまさに藤岡弘の黄金期。仮面ライダーから始まりオリジナル版の『日本沈没』、同じく小松左京原作『エスパイ』と大作に矢継ぎ早に出ている時代の作品。たまりません。
『みな殺しの歌』は歌手の水原弘主演(残念ながら1978年42歳の若さで他界)。えっ?水原弘知らない? じゃこの看板は見た事あるでしょ→『ハイアース』。あれっ?ってことはこの看板、42歳より若いってことね。当時は50過ぎのオジサンだと思ってた・・・。話しがそれたが、水原25歳のギラギラしていた頃の作品だ。関係ないけどテレサ・テン、プレスリー、ケネディーも42歳で他界。
『野獣都市』は黒沢年男主演(現在は黒沢年雄)。最近はめっきり天然ボケキャラになってしまったが、当時はアフロヘアーで男臭い役者だった。同年『ノストラダムスの大予言』でも主演しており『日本沈没』に続くパニック映画として話題になった(差別的描画があるとしてビデオは未発売)。
どれもワクワクする作品だ。本当は正月前にと思っていたのが、うっかり忘れて今になってしまった。今週末の連休は大藪ザンマイとなりそうだ。いや〜楽しみ。
えっ?事務所になんでコルトAR15(M16)カービン銃が置いてあるのかって?これも大藪の影響でしょうな。がはは。
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