[前記事より続き] 新ニッポン人の記事に反響が多いので、思った事を続けて書こう。番組の中では40代=バブル世代、30代=新人類、20代=新ニッポン人、と定義してあったが、世代のくくりがちょっと違う気がする。自分はまさしく40代だけど、当時自分たちは団塊世代から『新人類』と呼ばれていた。今の30代は『団塊ジュニア』とか『氷河期世代』と言われていたはずだ。時系列で並べると団塊世代>しらけ世代>新人類>バブル世代>氷河期世代となるので、バブル世代より新人類の方が年上のはずだけど・・・
そもそもバブルは86年〜91年の4年間だからバブル世代と言えるのは、1966年〜1971年頃生まれた世代で、単純に40代とくくるのであれば、やはり当時言われていた『新人類』や『オタク』という方がぴったりくるような気がする。というかバブルの時期は日本中が異常で、あの時は全世代が『バブル世代』と呼んでいいほど老若男女みな浮かれポンチになっていた。よね。
だからバブルと今の20代を比較するのは極端過ぎてちょっと無理がある。40代と20代で比較するなら、やはり『新人類』×『新ニッポン人』の方が公正な対比が見えそうなきがする。
さて、今の20代の人から見て『新人類』ってどう見えるのだろう。既に20年以上も経ってるから『新』と呼ぶのもおかしな話しだけど・・・
当時を振り返ってみよう。団塊世代から「まったく理解できない」と散々言われ、オタク第一世代として今のアキバ報道並みに扱われ、連日「日本の将来はどうなるのか」と文化人の先生方は嘆いた。それに反発して我々は旧世代を『旧人類』とよんで反論した。戸川純やいとうせいこうがトーク番組で旧人類と激論を交わし、とんねるずが古いお笑い連中とは手法を変えサブカルチャーを積極的に取り入れた新たな娯楽を生み出した。世代末期には宅八郎などの『新・新人類』と呼ばれる層が生まれ、新人類の中でも細分化していった。
あれ? 冷静に考えると今とあんまり変わらないね。20代を『新ニッポン人』とするならば、20代から見たら我々は『旧ニッポン人』で。日本をダメにした世代と見えるのかもしれない。
若者のお酒離れは「おいしいお酒の飲み方を若者に教えてないから」という意見を頂いた。言われてみれば確かにそうだと思う。なんでも他人のせいにするのは良くないが、お酒の飲み方というのは受け継がれるものだ(だった)と思う。
自分が20代の頃、会社の部長や役員にいつも飲みに連れていってもらっていた。料亭でのマナーやクラブでのホステスとの付き合いや、カンターだけのバーでゆっくりウイスキーを飲む、なんてことは考えてみたら独学で得る事もあったが、やはり年長者に色々教わった事が多かった。
奢ってもらっても「甘えられる時期は今だけだから遠慮せず飲んでおけ、自分が大人になったら若い連中に恩返ししろ」そんな粋な事を言う上司が多かった。確かに入社当時飲めなかった連中も、後輩が出来る頃には一端の飲んべえに成長していた。
酒道というのがあったと思う。ビールはラベルを上に、3回継で、一気に飲み干す。鍋奉行がいるように会社には酒奉行がいた。ワインは女が注いじゃいけないとか、日本酒の温度は云々・・・。
我々の世代ではそれが当たり前だった気がする。どこかでその王道のラインが切れてしまったのかもしれない。不景気や不況が原因であることは間違いないが、乱暴な言い方すれば、ちゃんとお酒道継承してお酒を飲む大人が減っているのも大きいような気がする。
40代のサラリーマンに訊こう、20代の若者を飲みに連れて行ってあげているか? 20代の若者に訊こう、会社の上司と飲みに行きたいか?
最近よく「会社の連中とは飲まない」と聞く。若い世代ならまだわかるが30代、40代の連中も歓送迎会以外は付き合いは無い、ときっぱり言う人が多い。自分のような飲んべえ同好会をいつまでも続けてる人間からすると信じられないが、別な世代と飲むのが極端に減ってきているそうだ。
バブルの時期に飲み屋で肥やしを一杯もらった人は、果たしてそれを若者に継承しているか? ビールを飲まないと嘆く前に、ビールを飲ます教育をしてこなかったと先ずは自ら後悔すべきかもしれない。「若い連中に奢るなんてとんでもない」と目の色変えるオヤジも、自分が若かったときに受けた恩恵を思い浮かべてみよう。なにか気がつくことがあるかもしれない。
新ニッポン人を理解するにはビール道を解読する必要があるとみた! ということで行くぞ居酒屋へ!俺についてこい!
でも割り勘よ。
3 Comments
>yutakarlson さん
今度は全員20代のスタッフで反論番組作ったら面白そうですね。
まあテレビですから娯楽と思って気軽に見てます。
>中原 さん
色々アドバイスありがとうございます。確かに自分の意見の無理強いはいけませんね。特にお酒や嗜好品の場合は。
うちのBlogは「そうだそうだ」と思う人と、「なに言ってんだか」って思う人がいてくれてるスタンスでいいのかなと思ってます。たまに釘を刺される事も自分にとってはありがたい財産になりますので。これからもよろしくお願いします。
今日の健康診断、尿酸値がいよいよ赤信号になってしまいました!! やめるか死ぬか!
はじめまして、NOBUさんより若干年は上ですが、ほぼ同世代で左党の男です。
酒、食べ物、車、自転車などの趣味や嗜好について、NOBUさんご自身の考えや信条、哲学をもつのは自由で素敵なことです。
ただそれは、NOBUさんと気の合う仲間内以外では、心の中にとどめておかれてはいかがかなと思います。
過去にこんなことがありました。
「くわえタバコで酒ビンを抱え、馬券を手にして人間が生まれてくるのなら、おまえの言い分は正しい。でもそうじゃないだろう」
これは10年程前、勤め先の上司が僕に言った言葉です。そしてこうも言われました。
「おまえのスタンスが結果的に人に苦痛を与えるなら間違いだ」と。
その数日前、運良く大事にはなりませんでしたが、私が飲ませた(普通に歩いて帰れる程度だと思い込んでいた)独身の若い部下が、降りた駅で吐いた後、自転車に乗って家に向かう途中で事故にあってしまったのです。
NOBUさんなら、上の言葉の前に、上司と僕の間でどういう会話がなされたかは想像できると思います。
正直、自分の愚かさ浅はかさを恥じました。僕のような存在が酒離れを加速させたのかも知れません。
例えばスモーカーの、ギャンブラーの、そして飲んべえの身勝手な基準でものを考え、それを正しいと信じ悦に入っていた自分に気付いていませんでした。まったく失笑ものです。
車や音楽などの趣味に関しても同様のスタンスですから、周囲の人間は相当迷惑だったでしょう。
幼稚なのは僕だったのです。
これは世代差や性差、嗜好の差で語るのではなく、きっと個人(例えば僕)の人間性に係わってくる、けっこう根深い問題なのだと反省しました。
今は酒を基準に人間関係を築くことはまずないので、交際の幅がひろがってストレスが減り体調も良く、前より仕事もプライベートもスムーズに運ぶようになりました。
以外だったのは飲む機会が減って酒が旨くなったことです。家で飲むことが多くなって、肴を作るかみさんの腕前もあがりました。
焼酎党なので、今夜は<銀の水>でいこうかと思います。
■久米宏の「新ニッポン人」現る-世代でひとくくりにする愚かさを象徴する低レベル報道
こんにちは。あの番組20代は、かわいそうな若者とでも、いいたいのでしょうが、無理がありますね。それに、世代で輪切りにして、ひとくくりにして論じるという懐古趣味とでもいえるような手法を用いています。世代で輪切りにするのは、経済が発展途上の国ではある程度成り立ちますが、今や中国でさえ無理です。
この番組のディレクターも、視聴率の向上にしか興味がないのだと思います。昨年10月にあった「アッコにおまかせ」の『初音ミク』騒動がありましたが、マスメディアは未だにこの騒動の意味がわかっていないようです。愚かです。そうして、声無き声の若者たちは、このような低レベル報道は気にせず、自分の信じる道を歩んでもらいたいと思います。日本の若者ガンバレ!とエールを送りたいです。ここに、書くと長くなってしまうので、詳細は私のブログを是非ご覧ください。