COCOAと散歩の途中でよく寄っていたお肉屋さんが閉店となった。今月の頭位からオヤジさんが胸を患って入院してしまい、開店休業状態だったけどついに閉店となってしまった。70歳過ぎてもかなりのヘビースモーカーだったそうだ。確かにいつもくわえ煙草で肉を切っていた。耳が遠いのが難点だったが、なにかとオマケをくれる気のいいオヤジだった。
入院するのは生まれて初めてだそうだ。病気以上に病院に入っていることで参ってると女将さんが言っていた。70年以上病気知らずがいきなりの入院、そりゃショックだろう。病状もあまり芳しくないらしい。退院するまで少し休むと言っていたのが、結局は閉店になってしまった。オヤジの病状がすごく気がかりだ。
八百屋が無くなって果物屋が無くなって肉屋もこれで二件目が無くなった。この一画でも残ってる店は数件になってしまった。対面販売の店がどんどん無くなっていくのは寂しいね。
日本人の気質が変わって来ているのは、考えてみるとこういった対面販売のお店が無くなって行くのと正比例しているように思う。色々なお店でちょっとした話をしながら買い物をするというのは、対人関係や地域のコミニュケーションにすごく役立つ。お店で並んでいるうちに近所付き合いが始まったり、どこの誰さんが何しただのといった噂話にも事欠かない。
子供が買い物に来れば気軽に店の人は声をかける。何処の家の子供かお店の人にもインプットされる。防犯や非行防止にも街のお店の役割は大きかったと思う。
スーパーやコンビニでは絶対に生まれないコミュニティが専門店にはあるような気がする。スーパーやコンビニで「毎度」とか「今日は遅いですね」なんて声を掛けられたことは無い。どこかにコンビニのマニュアルには客と親しくならないようにと指導されるそうだ。
街が街らしい役割や顔を見せるのはどんな豪邸が多いかではなく、元気な商店街が残っているかではないだろうか。
タバコの煙に目を細めながら優しく笑うオヤジの顔が、たった数週間だけどやけに懐かしく思い浮かんだ。
「タバコはダメだよ。元気になって戻って来てくれよな」
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