術後、検診以外では久々の外出。目のリハビリも兼ねて恵比寿の東京都写真美術館に行って来た。右目は近くが見えるけど遠くが見えない状態。左目は遠くが見えるけど近くが見えない状態。両目で見ればなんとかなるかな。
とはいえ術前よりは全然いい状態で、最初の手術から比べたらメガネ無しで街中を歩けるのだから今のところ御の字だろう。あとはこのまま安定してくれて足りない度はレーシックでタッチアップできればいいのだけど。
先ずは『自然の鉛筆』展を観る。最初の紙印刷と言われるカロタイプから、鶏卵紙、プラチナ印刷からカーボン印刷、そしてゼラチン・シルバー・プリントに至までの写真印画紙の歴史の集大成ともいえる展示。印画紙を知らないデジタル世代も多いと思うが、こういった歴史を知っておくのは重要と再確認。
ゼラチン・シルバー・プリントって分かる?いわゆる銀塩写真のこと。通ぶって使うと嫌みに聞こえるので銀塩で良いと思う。それに対してなぜか日本語が一般的な鶏卵紙(けいらんし)。読んで字のごとく卵白を使った印画紙。19世紀のセピア色の写真はほとんどが鶏卵紙。あの独特なセピア色は卵白の色だと知っていると、作品を見る目も変わるかも。
そしてもうひとつ『世界報道写真展』も観てきた。こちらは現役最前線の世界的フォトジャーナリストによる2011年のドキュメンタリーだ。その圧倒的な作品の凄さ、解説不要の訴えかけてくる写真の迫力、そしてなにより写真を通して語りかけてくる強いメッセージ。彼らの作品の前では自分の写真なんてマクドナルドの100円バーガーのようで豚の餌にもならない。
感銘と同時に良い意味での強い敗北感も全身に受けながら、心地いい満足感に包まれつつ写真展を後にした。
久々にライカを持って出たけど、この写真展を見た後ではガーデンプレイスのビルを撮るがやっとだった・・・。でも気持ちの上で一皮むけた気がする。目が完治したらどっさり撮りに行こう。
趣味が写真という人、ぜひ『世界報道写真展』を観る事を強くお勧めする。
(東京は8/5まで、以降大阪、京都、滋賀、大分と巡業)
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