この建物は、旧加賀百万石・前田家の第16代当主・前田利為侯爵の本邸として建てられたもの。洋館内に入ると、それはそれは大層な装飾が施された立派なお屋敷。昭和4年築だそうだ。大正時代から昭和初頭の建築物を見ていると、現代の建造物がいかにチープで安っぽいかこれでもかと思い知らされる。ひとつ一つの柱に施された彫刻も職人技の妙。当時「東洋一の邸宅」とうたわれたというのも納得できる。
近代化が進み産業革命を経て様々なモノが発達発展を遂げたが、こと建物に関しては合理化とコストという言い訳の元、どんどん退化してるように感じる。ただ単に高くするばかりで、中身がなにもないハリボテの建物に街は溢れている。
もちろん侯爵邸だから有り余る資産で金に糸目をつけずに建てたんだろうけど、それにしても現代建築が日本人の技を継承してこなかったことはとても残念。
しかしまぁここまで隙き間無く全てがデザイン処理されているのには、ただただ驚くばかり。
つづく
[ Leica M9 SUMMARIT (1957) 1:1.5 / 50mm ]
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