先日のサッカー・ワールドカップ日本戦の裏番組で映画『突撃せよ!「浅間山荘」事件』がやっていたので録画して観た。1972年に起きた連合赤軍による9日間の浅間山荘人質立てこもり事件。事件からすでに34年もの月日が過ぎているのか・・・
当時小学生だった自分は、学校の教室テレビでクレーン車による山荘破壊の瞬間を見たのを今でも鮮明に覚えている。クレーンが壁に激突した瞬間、女子の悲鳴が上がった。しかし、白黒テレビで映し出されるその映像はどこか現実離れしているように思えた。
連合赤軍はライフルや散弾銃、拳銃を所持して無作為に発砲を繰り返していた。対する警察/機動隊は散水車で応戦。「散水車?ライフルに対して水鉄砲?」小学生ながら力学バランスのおかしさに「自衛隊はなぜ戦わないのか、空挺団はいないのか」などとマセた話をしていた。60年代、70年代安保闘争の影響で、子供ながら知識などまったくないのに、国家とか政治とか知ったかぶって話していたような気がする。しかし、学生運動などとうてい理解できなかったし、理解しようとも思わなかった。
1970年の三島由起夫自決事件、1971年の大久保清事件等々、子供の目にも時代の動きの過激な現実が見えていた。ちょうどその頃、望月三紀也の漫画「ジャパッシュ」が連載されていたので、連合赤軍はジャパッシュになりたいのでは?と友達と話していたような記憶がある。(今思えばやはりかなりマセガキ)
当時、世間は連合赤軍にいくぶん同情的だったように思う。特に学校の教師は警察の愚弄ぶりに文句を言っていたが、赤軍の行動に対して痛烈な批判をしていなかったように思う(後の赤軍内部の集団リンチ事件が発覚するまでは)。安保という枠組みの中で社会全体が大きく歪んでいたような気がする。山荘事件後にはすぐに沖縄が返還され、さらに学生運動は活発化し新左翼も台頭した(同時に世論は学生運動に否定的になっていく)。
逮捕された坂東はその3年後、日本赤軍が起こしたクアラルンプール米大使館占拠事件で、解放されてしまう。テロリストに屈服する日本政府。中学生になった自分にも国ってなんだろう、政府ってなんだろうという疑問が涌いた。当時の首相は三木武夫。そしてその翌年にはロッキード事件発覚と政治がガタガタになる時代を迎える。
大学に入り馬鹿な学生運動に熱中していた友達(中核/革マルの残像を追う)と、よく飲み屋で朝まで政治について討論(闘論)していた事を思い出した。中共思想に被れていたそいつにを「資本主義社会の負け犬、意味不明なアジビラ原稿は文学的欠如」と非難しよく喧嘩になった。しかし、そいつも就職活動を迎えるとすんなり学生運動も卒業し平凡なサラリーマンに変身した。なんだそれ?!
ワールドカップのときになぜ「浅間山荘事件」? 単なる偶然か、放映側になにか意図はあるのか・・・
今度はスピルバーグの映画「ミュンヘン(ミュンヘンオリンピック開催中にイスラエル代表11名が死亡した黒い九月によるテロ事件を題材)」を観てみようと思う。奇しくも浅間山荘と同じ1972年の事件だ。
もし、武力武装した反政府敵組織が我々の前に現れたら・・・もしオウムのような集団が銃器を保持していたら・・・破防法がこのままでいいのだろうか。70年代安保で火炎瓶を投げていた連中は、今ちょうど社会で決定権を持つ重要なポジションを占める世代。左翼運動に熱を出していた面影はオジサンたちから感じることはできないが・・・。
*ちなみに私は極左でも極右でもありませんから誤解無きように。強いていえばアダム・スミス系のリベラル派です(笑)
2 Comments
COLTパイソンですか。
まったく同じように記憶に残っていますね!
特にクレーンのあの大きなテツの玉のようなもので山荘を破壊しようとしている光景は凄く目に焼きついてます!!
NOBUさんと自分はもしかしたら同じ歳か大差ない年齢でしょうね?
話しは変わって和製ハードロックですが、
アンセム、アースシェイカー、ラウドネスあたりは良くライブ行きましたねぇー!SYOW-YAは好きですがライブ体験はありません。
SEXマシンガンズも結構好きですね!
アースシェイカーは2年くらい前、表参道FABで見たのが最後だけど、もうヤバイですね!迫力ないし、昔の曲に頼りすぎって感じで、また解散しちゃうかも???ドラムの工藤は結構好きなんだけど・・・