SZ/RZ。
ROMEOの歴史の中でもこんなに、数奇な運命を辿ったクルマはないでだろう。特にRZは350台の予定生産数が、世界的な不況の波にのまれ280台前後で打ち切りとなり、時を同じくしてZAGATOも倒産に陥り、波瀾万丈な生い立ちと出生の歴史を持ったクルマだ。
既に生産から10年がたったにもかかわらず、その異様なまでの存在感は、他の追随を許さない。明らかにSZ/RZの影響を受けたクルマが他メーカーから生産されても、IL MOSTRO(怪物)の呼称に廃れは見えない。
フィアット資本の元、かなりの影響力をもって作られた車だけあって、古くからのアルフィスタには今一受けが芳しくない。それは、アレーゼのアルファロメオの本社に行っても同様だ。コンペでアルファ・チェントロ・スティーレがフィアット・スティーレに負けたという怨念(?)がまだ残っているのだろうか。
本社横に併設されるMUSEO(博物館)にも、SZ/RZの姿はない。館長のマーグロさんに聞いた。MUSEOに飾る基準は? 生産から10年以上たっているクルマだ。SZは既に10年以上経過している。他のSZファミリーが展示されているのだから、同じ敷居に入れてもおかしくないだろう。しかし、それを許さない(許せない)なにかがアレーゼにはあるのだろう。
1階のプロトタイプのコーナーのなかで、プロテオが凛として置かれているのは、アルファの反骨心の象徴なのだろうか。
SZ/RZがMUSEOに展示されるのはいつの日か。オーナーとしては、悲しくもあり、その反面、展示される日を夢見る楽しみもある両極の感慨を与えてくれる不思議なクルマだ。
RZは現存するのはもう200台は切ったのだろうか・・最後の一台になるまで、よき相棒として乗り続けてやろう。
*昨年6月訪伊/MUSEOにてPROTEOと
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