京都の寺院を見て回って思ったのが、至る所に装飾が施されていること。この写真の瓦は宇治の興聖寺のもの。魔除けを意味するのか敵の攻撃を防御するためのものか分からないが、随所にこのようなものがある。もちろん寺院に限ったことではない。人家でも古い家には魔除けや厄払いのシンボルがどこかに見られた。
これは京都に限ったことではない。どこに行っても古い家には見られる。沖縄のシーサーなどその最たるモノだろう。
家は住むためだけではなく「住む人を守る」ためのものでもある。外敵から身を守ってくれるのが家だ。城壁を高くしたり壁を厚くするのは当然で、さらに神棚や守護神を祀って身の安全を願ってきた。これは日本だけではなく、ヨーロッパを旅しても古い建物の門や壁には、ライオンや羽を生やした人物像を必ずと言っていいほど目にする。門を守る狛犬像は形を変え全世界に存在する。
強度偽造の姉歯事務所のニュースを見ていると、近代マンションっていったい何なんだろうと疑問に思う。震度5程度で崩壊するようなマンション。仮に耐震性があってもマンションって本当に自分を守ってくれるのかと、最近不安に思うようになった。自分もマンション住まい。だれがどんな方法で作ったのか、どんな工事をしたのか、どれだけ耐震性があるのかも知らない。賃貸だから尚更自分の家という感覚は薄い。築20年くらいで今のところ崩壊してないから、まあ大丈夫なのだろう。
確かにオートロックがついて管理人がいて・・防犯セキュリティーは高いかもしれないが、玄関にライオンの像があるわけでも、屋上にガーゴイルがいるわけでもない。もちろんライオンやガーゴイルがいたってなんの防犯にもならない。でも、いるという理由が違う。
例えば一軒家であれば持ち主であるそこに住む人の「願い」が家に反映されているだろう。方位を気にしたり風水を調べて設計したり、魔除けの花を植えたり神棚をつくったり。自分たちを守るための施しを自分なりに行うだろう。
しかし、今のマンションにはそれはない。宗教がかったことをすればいいと言う意味ではない。家に守ってもらうという意識が、造る人間にも住む人間にも薄いから姉歯のような大馬鹿者が現れるのだろう。こやつ22都府県、194物件に関与してるそうだ。もしかして日本崩壊を狙った新手のテロリストかもしれない。194物件が崩れたら・・・・考えただけでも恐ろしい。時限爆弾埋め込んでるのと同じ。なぜ殺人未遂で起訴されないのか不思議だ。
デザイナーズ物件や自由設計とかもいいけど、食べ物と同じように生産者の顔が見える物件を選ばないとえらいことになる。今回の一件でますますマンション嫌いが高まった。田舎でいいから小さな一軒家が欲しいなぁ。門にはライオン像、屋根にはガーゴイル。玄関ドアには十字架にリビングには神棚で・・・・・
Blog内キーワード検索
Categories
Archive
My Office
Leave a reply