この写真は自分の3歳頃(右)と幼稚園の時の写真。昭和40年前後。当然モノクロの時代。なぜこんな古い写真を引っ張り出してきたかというと、図書館で『写真集 昭和の農村』という本を借りてきて見ていたら、自分のアルバムもひっくり返してみたくなったのだ。
写真集は昭和10年〜40年代のなんとも懐かしい感じのする写真の数々。東京生まれなので農村の実体験はないのだけど、写真集を見ていると子供の頃、両親の実家に夏休み遊びに行った時の事を思い出す。
大きな薪釜でご飯を炊き、お風呂も薪だった。食事の時間になると大きな部屋にご飯のおひつがデンと置かれて、大家族で食事だ。ちょっと薄暗い白熱灯(ランプだったかな)のゆらゆらする明かりの中、ご先祖様のモノクロの写真がすらっと並んでこちらを見ている。天井はやけに高く、ススで真っ黒でその先になにがあるかも分からない。蛍光灯の明かりで煌煌とした東京とあまりのギャプに、まるで冒険のようでワクワクした。
一歩でも外にでたら大変だ。街灯も無ければ道だって舗装じゃない。川のようなサイズのドブが大きな口を開けて獲物を狙っている。懐中電灯を持って別宅に行くのもまるでお化け屋敷に入ったようで目も開けられず、叔母の背中にしがみついていた。いたるところに小さなお墓があるのも驚きだった。
一番怖かったのはトイレだった。いや便所だ。離れにあって当然汲み取り式だ。この離れがなぜか鳥小屋とくっ付いていて、行くだけでも無限の距離を感じているのに、用を足してる最中に鶏のガサガサという音がすると、地球の果てにきてしまったような孤独感と恐怖を感じた。田舎に行くのは楽しみだったが、便所だけは子供心に悩みのタネだった。
今はすでに平成18年。平成生まれの子たちも社会にでる年齢。囲炉裏があって裸電球の居間なんて想像もつかないかもしれない。うちの田舎も今では健康ランドや地ビール工場もできるような立派な町に変貌している。たった40年ですごい変貌だ。一部の都会を除いては、日本中がそうだったんだろうなぁ。
この写真集に載ってる子供たちの溢れんばかりの笑顔。きっとこの子たちは今は60〜70歳前後なのだろうか。激動の昭和期を生き抜いてきた日本の戦士だ。最近この手のちょっと古い写真集を見ると、実体験が無くてもどこか懐かしいと感じるのはオヤジ化してる証拠かな。
これは昭和20年代のパーマの機械だそうだ。まるで電気椅子状態。この時代パーマをかけるのも命がけだったんだろうな。(なことは無いか)
『縄も石ころもなんでも遊び道具になった。子供たちはどこでも元気いっぱいに遊んだ。笑顔が輝いていた』
コメントを読んで自分の幼少の頃を思い出す。今の子供の笑顔が輝いていないとは思わないが、確かに昔はなんでも遊び道具だった。町中が自分たちの遊び場でお城だった。道路は広大なキャンパスに変わり、町工場の廃材置き場はジャングルに変わり、家々を取り囲む塀はサーカス小屋に早変わり。街全体がまるで『SASUKE』の競技場だった。
記憶にある人も、平成生まれの人も、昭和の写真集を見ると、きっとなにか感じるものがあると思うよ。
9 Comments
>KANAchanMaMa さん
だから、同じってことはないでしょ(笑)
私は電気屋さんがカラーテレビを飾ったときには、本当に腰が抜けるかと思った程衝撃がありました。
街頭テレビってカラーの事じゃないですか。(仮に同世代なら(笑))
追伸
もちろん、↑“今風の”近代的な設備の店舗に!…ですよ~!(*_*;)ゞ
私も この年代に、山手線の沿線(新大久保~高田馬場)で 生まれ育ったんですけど、
街頭TVを見た記憶が あるんです。←何かの記憶違いじゃないか!?…と 言われたりするんですけど…。^^;
貴男の写真は、今と 顔が変わってないんですか?! それは また。。。(#^.^#) ←(ーー;)
“パーマ”の写真で 思い出したのですが…
市ヶ谷駅 近くの 『あぐり美容室』に行くと、“あの朝ドラ”の吉行あぐりさんが 本当に営業していらっしゃるんですよ!
覗きに行って、本当に居らして(!)、慌てて帰ってきた ミーハーおばさんデス。(^_^;)ゞ
>oudon さん
今が憎たらしいみたいじゃない(笑)
なぜかこの頃からカメラ向けられると自然と愛想笑い。
>なっちのママ さん
そっか、なっちのママはリアルタ○ムか・・・(笑)
テレビ懐かしいでしょ。なんで昔のテレビは畳なに足はえてたんでしょうね。
>さおりん
いくらなんでも同じってことはないでしょ(笑)
美の欲求はいつの時代も変わらないですね。
30年後は髪型もどうなってるんでしょうね。
>BIGSTONE さん
確かに古民家を見ていると造形の美しさは勿論、その機能性と美意識に驚かされることがあります。
木の文化の大切さは残していきたいですね。
>pukipuki さん
がはは、私のは小学校2年生くらいまでモノクロです!
ウチの旦那さまの幼少時代の写真もモノクロ・・・。
よくバカにしたものです・・・失礼?
昭和20年代のパーマ・・・怖い・・・。
日曜日に向ヶ丘の「日本民家園」を見物してきました。
緑地の中の古民家を眺めていたら、懐かしさを通り越して
文化や文明について考察したくなりましたね。(笑)
あの日は夏の暑さがぶり返し、真夏日だったのですが、
これほど暑い日だったのに民家の中は意外に涼しかったです。
やはり、エアコンなどない時代の人間の知恵による設計だった
のでしょうか。この園の中に明治後半期に建築された豪邸で、
建築期間がなんと22年も要したものがあったのです。
現代だったら、流行や技術や素材が目まぐるしく変化するので、
22年も経ってしまうと設計開始時と建物完成時ではデザインの
流行や好みが変化してしまうでしょうが、この当時は時間の流れ
がゆったりしていたのでしょうね。多分、人間の一生くらいの
時間では価値観や生活様式はほとんど変わらなかったのだろうと思いました。
ある意味、羨ましい時代だったのかもしれません。
カワイイ・・・NOBUさんの幼少時代~、顔変わってない!やっぱりスゴイ。。。(!)
この写真の昭和20年代のパーマ、怖い。
髪燃えそう?!
・・・
今も昔も時代に変わらず?!
せっかく女に生まれたからには美の追求には余念なし?!☆
(↑今の時代、この考え自体が古い?今は男も美を追求するもんね。笑)
可愛い坊ちゃんだこと(^^♪
トイレも、テレビも懐かしいですね。
いえ、昔 昔、テレビで見たことが・・^m^
NOBUさんにもこんな(カワイイ)時代があったのですねえ。
ふむふむ~(笑)