今再び大藪春彦。
思春期に影響された作家は多いが、特に大藪作品は10代の頃ヤク中のように読みあさった。二日に一冊ペースで一気に100冊近く読んだ。それほどどっぷりとハマった。初版本を集めるのも好きだった。大藪作品も何冊かは初版を手に入れる事が出来たが、この『汚れた英雄』は初版が見つからず十三刷の帯付きをやっと見つけて購入。今みたくネットもオークションも無い持代だったので、片っ端から古本屋のオヤジと仲良くなって情報を待った。15〜16歳のガキが古本屋に入り浸ってるというのも今考えると滑稽だけど、かなり真剣だった。
余談だけどWikipediaでは「1969年に発表した小説」となっているが、これは1967年(昭和42年)の間違い。Wikipediaは細かい間違いも多いので妄信しないほうがいい。徳間書店で装幀はイラストレータ/デザイナーの辰巳四郎氏。辰巳作品の影響で今の自分がデザイナーをやっていると言っていいほど影響を受けた人だった。徳間書店や角川文庫等のミステリー作品で誰でも一度は目にした事があるのでは。(椎名林檎は姪)
おりしも時代は角川書店が大藪フェアを行い、角川映画でも『蘇える金狼(1979)』『野獣死すべし(1980)』『汚れた英雄(1982)』と次々に映画化され大ヒットした。
が、『蘇える金狼(1979)』は原作にかなり忠実で大藪ファンとしても楽しめたが、丸山昇一脚本の『野獣死すべし(1980)』はとても許せるものでなく、映画館を出る時にかなり落胆したのを覚えている(1959年の仲代達矢主演映画は素晴らしい)。そんな事があったので草刈正雄主演の『汚れた英雄(1982)』は観に行く気にもなれず、どんな内容かも知らない。
実家に行った時に、なんとなくまた大藪作品を読みたくなって、この『汚れた英雄』を持ってきた。当時はバイクの免許は持っていなかったけど、バイカーの目線で30年振りにもう一度読んでみようと思う。
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2 Comments
>Crow さん
今度『汚れた英雄』のDVD観てみますね。
1970年の黒沢年男、三国連太郎主演の『野獣都市』も原作とはかなり違いますが、それなりに面白かったですよ。機会があればぜひ(ってレンタルなんかあるのか?!)
大藪晴彦の小説は私も大好きです。
角川映画で映像化された作品はほとんど観てると思い
ます。
『汚れた英雄』は私も特に好きな作品でした。
主題歌のRosemary Butlerが歌ってた『Ridin’ High』
はカッコ良かったです。