せっかく北京オリンピック開催中という事もあるので、一昨年に行った中国の思い出話など。ブツ撮りのロケで行ったので観光は一切なし。行った場所も深圳から車で1時間くらいという郊外の工業団地。当然観光客等まったく来ないであろうローカルな街。連日テレビで流されるきらびやかな中国とは違い、貧富の差が極端に激しい現実の中国だった。
香港からは高速海上バスで中国入りした。まず降りた運河の街で驚いた。ちょっと裏通りに入ると窓ガラスやドアが無い家が建ち並び、平日だというのに上半身裸で家の前の椅子に座りボーッとしている人々。人だかりが出来ているところがあって何だろうと見ると、たぶん数少ないテレビなのだろう道路まであふれて熱心に見入っていた。放映されていたのはドラえもんだった。
戦争で爆撃があった後の廃墟なような町並みに、途上国のスラム街を思い起こさせるような生活環境。道は砂埃が舞い、街全体がスモッグに覆われている。下水が整備されていないのか、ドブは異臭を放ちブクブクとガスを発生しているように泡立っている。まるで全学連のようにタオルで顔を半分被い平気で三人乗りでノーヘルで走り回ってるオートバイ。
その一方で、スラム街を抜けしばらく走ると、300坪はあろうかという大邸宅が高い塀を備えて立ち並ぶ。町内全体を高い塀で囲み門番付きという一画もあった。日本の高級分譲別荘地のようなそれは、大会社の役員クラスが住んでいるのだそうだ。
共産主義国家なのになぜここまで貧富の差が?と訊ねると、最低は保障されるそうだが、最高は足かせが無いそうだ。つまり成功すればどれだけでも大金持ちになれるということらしい。共産主義ねぇ・・・
現場についてまず驚いたのが、大量のミネラルウォーターがケースで何箱も運び込まれる。最近はニュースでもよく報道されているけど、中国では水道の水は飲めない。浄化してないというより『毒』がいっぱい入ってるから絶対に飲んではいけないと厳しく言われる。中国料理に生野菜が一切でないのも、どんな食べ物も必ず湯通しか油通しするのも水に問題があるからだ。
人間が飲めない水で作った中国人が食べない生野菜が、日本のスーパーで普通に売られてる現実にちょっと怖くなる。中国野菜はとにかく火を通す事だけは忘れないようにしようと思った。
つづく
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