La Festa Mille Miglia 3日目。一日400km前後をほぼ休み無く走り通す。ドライバーもナビもサポートもそろそろ疲れがたまってくる。Alfa159SWのサポートカーはフルエアコンで疲れたなどと言ったら罰が当たるが、ALFA ROMEO 6C 1500 SUPER SPORTはエアコンも無ければシートのクッションも無いに等しい最悪な環境。板バネのサスペンションは郊外の荒れた道のショックをダイレクトにドライバーに伝え、体力をどんどん奪って行く。
しかし、66歳のルチアーノおじいちゃんは本当に元気だ。どんなに疲れていても街頭で旗を振っている人を見かければ大きく手を振り感謝の意を表す。まるで走るエンターテナーのようだ。
伴走して思ったのが、どこに行っても道角で旗を振ってくれてるギャラリーがいること。とにかくどこに行っても大歓迎ムードで一杯なのだ。そう、まるでコンサートのよう。ライブ会場で観客が大声援をおくる。まさにライブ。エンジンのブリッピングはギターソロのように優雅に流れ、コーナーを抜けるたびに歓声が沸き起こる。ほとんどが芸能人目当てかもしれないが、純粋にクラシックカーに感動して手を振ってくれてる人も多いと思う。
このイベントに対して、老舗の自動車雑誌社やカージャーナリストはあまり好意的にとらえていないようだが(確かに金にモノをいわせて毎年クルマを買い替えて参加してる一部の出場者には眉をひそめたくなるが)、過疎化した村や街を通過する際、玄関先に椅子を持ち出して旗を振ってるおばあちゃんやおじいちゃんの姿を見ていると、とても大きな村興しになっているんだろうことが容易に想像できる。
政治的なことは分からないが、ALFA ROMEO 6C 1500 SUPER SPORTを見て飛び跳ねている喜んでいる子供達の姿を見ていたら、思わずこちらもうれし涙がでそうになった。クルマを見てワクワクできるなんてとても素敵だと思うし、そんなクルマを大切に乗り続けているオーナー達も素敵だと思う。
クラシックカーを持つなんて確かにお金持ちの道楽だと思う。でも、同じ道楽でも子供たちに夢を与えられるような道楽ならそれも有りだと思う。自分がクラシックカーを持つなんて到底不可能だが、手を振られてる姿を見ているとちょっと羨ましかった。
ルチアーノおじいちゃんの元気の源は、世界中の街角で子供達の笑顔からパワーを貰っているんだね、きっと。
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