La Festa Mille Miglia 2日目が終わった段階の中間発表での順位は首位だった。3日目は猪苗代湖から一気に南下して最終地点はツインリング。チーム全体によほどのミスがない限りこのまま優勝できるだろうという期待が膨らんでいた。
しかし、既に1,000km以上走っているALFA ROMEO 6C 1500 SUPER SPORTには目に見えぬストレスが知らず知らずたまり、3日目が終わった段階で深刻なトラブルが発生した。
クルマのことを考えリタイヤをとるか、夜通しかけて修理し優勝を目指すか。答えは簡単だった。満場一致で後者を選んだ。ホテルで用意された豪勢な食事をパスし、シャワーも浴びず汗まみれなまま修理を行う男達。祈ることしか出来ない自分に不甲斐なさを感じる。
数時間後、応急処置が完了。全員に安堵の笑顔が浮かぶ。肩くらいなら揉んであげることはできる。憔悴しきったルチアーノおじいいちゃんをマッサージしてあげると、またいつものようにおどけてみせる。全くもって他人を気遣うことを忘れない素晴らしい爺様だ。
ホテルにもどっても食事はもうないので、スーパーマーケットに買い出しに行く。やらた赤い格好をしたオヤジが5人。それもイタリア人が2人という異様な集団が、カートを押しながら寿司だのサラダだの缶ビールだのどんどん詰め込んで行く。なんかサークルの合宿に来たようなワクワクした気分に全員の顔がほころぶ。
ホテルに付いたらさっそく俺の部屋で宴会。明日の勝利を誓って缶ビールで乾杯。ルチアーノは惣菜コーナーで買った安そうなパスタを割り箸でガシガシ食べてるし、ジローさんは寿司を一貫ずつ感心しながら食べてる。なんか不思議で面白い光景だった。言葉が通じなくったってお国がちがったって年齢が違ったって、クルマが好きで勝ちたいという気持ちは万国共通。このチームのサポートが出来て本当によかったと思った。
小さなテーブルを囲んで片寄せ合って食べる味は、どんな高級レストランの最高級のメニューより美味しかった。
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