雨が降って楽しいという人はあまりいないと思うけど、農業の方や水を必要とする仕事の方にとっては雨は恵み。一年のうちどれだけ雨が降るのか分からないが、これから春を越し梅雨に入るのだから、どうせなら積極的に雨を楽しんだ方が得だ。雨が気にならないレインウエアーで楽しむのもその一つだろう。
でも、ウインドショッピングしていてもオシャレな傘やレインブーツが列んでいるのはレディースものばかり。メンズって原色の山登りみたいな格好ばかりで興ざめする。もう少し洒落たデザインのものがあったらいいのにね。
朝、昨日クルマを会社に置いて帰ったので、雨だけど歩いて地下鉄の駅に向かう。COCOAをバッグに入れているので肩が抜けそうに重い(5kg以上もあるので)。腕や裾に雨がかかり「うがぁ〜」と思っていたら、横を女性が小走りに追い越して行った。時間を急いでいるのだろう、傘を振り乱しながらダッシュしている。あっという間に先に行ってしまう。朝の良くある光景ではあるが、こんな雨の中走らなくとも・・・・・・。
と思っていたら。
地下鉄の入り口5m手前で力尽きたのか、おもいっきり前のめりに「バッチャーン!!」と転んでしまった。絵で描くとこんな感じ。それも運悪く転んだ所は水たまりになっていて、まるでドリフのコントのように巨大な水飛沫が・・・・。
一言でいえば『顔面から突っ込んだ』というやつですな。あまりに大袈裟な転び方に周りにいた人たちは「えっ?!!!」と凍り付き、まるで街全体がストップモーションになってしまったように身動きひとつしない。倒れた本人も水たまりの中で硬直してる。たぶん3〜4秒だったと思うけど、体感的には10秒以上その場が完全に凍り付いていた。
だれも「大丈夫ですか」と声も掛けれない。なんかそのまま水たまりの中にブクブク沈んで行きそうな程身動きもしない。傘が風でコロコロと転がって行く。大人がノーズダイブするシーンはそうこう見るものではない。それも平らな道で。ましてや女性である。転んだ方も見てい方もなにが起こったか頭がショートしている。ようやく転んだ女性がむっくりと起き上がった。
が、今度は起き上がったまま動かない。現実を理解出来なくて呆然として感じだ。残念ながら(?)自分はまだかなり後方にいたので顔の様子までは分からない。周りにいた人も声を掛けるタイミングを失って、なにも見なかったように歩き出す。周りから誰もいなくなっても女性はドロを払うこともせず、まだ呆然と立ちすくんでいた。
きっと顔から足までずぶ濡れだろう、家に帰るのか? でも走るくらいだから急いでいるのだろう、このまま会社に向かうのか?
すると、おもむろに女性は転がっている傘を拾うと、再び走って地下鉄に入り口の中に消えて行った・・・・・・
あの女性はトイレに駆け込んだのであろうか、そのまま会社に向かったのであろうか・・・・。柳ジョージの『雨に泣いている』がこだました。
南無。
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