うちのオフィスの照明は白熱灯を使っている。デザインの仕事でモニターの色再現性を考えると、できるだけ白い蛍光灯の方がいいのだけど、どうも昔から蛍光灯だと目がチカチカしてくるので、あえて暖色系の白熱灯を使っている。
が、ハロゲンやクリンプトンの電球は恐ろしく値段が高い(1個1,500前後)。さらに消耗が早い。メーカーの定める寿命はだいたい1,000時間〜2,000時間。一日13時間付けていたとしても半年ももたない。これが天井に20個くらいついてるから、毎月どれかの電球交換をしてる感じだ。
と〜ってもエコじゃない。
ということで半分くらいのハロゲンは、同じ色合いの普通のミニランプに変更。1個1,500円もしていたものが100円ショップで売ってる凡庸品に変更で大幅コストダウン。明かりの光源はショボくなったが、半分だからなんとか誤魔化せる範囲。
スポットに使ってるKTクリンプトンは代替品が無いので、ネットで一番安いところを探してまとめ買い。今まで900円位で買ったいたのが、ほぼ半値。ネットショッピング様々である。
ところで、以前飲み屋で某家電メーカーの人と隣の席になった。その方は家電量販店に店員としてヘルパーで入ってるそうで、最近はネットで気軽に価格を調べHPをプリントして値引き交渉する客が増えていると。
それはそれで消費者としては賢い行動なのだけど、そのメーカーの人は「情報格差がたまらない」と嘆いていた。
つまりネットとかパソコンとか触れないお年寄りや機械に弱い人は表示価格で買わされて、ネットの情報網を上手く使える人だけが値引きという恩恵を受けていると。その人はメーカーの人間なので、極端な話、他のメーカーや店の売上の事など気にしないでお年寄りには出来るだけ安く売ってあげたいと思っていても、お店からガイドラインがでていてそれ以下には出来ない。唯一例外があってそれは他店の広告やチラシを持って来た客には無条件で値引いていいらしい。
「それは間違っている」と何度も語っていた。「ごく限られたリピーターにもならないような価格だけを気にする客には安く売って、何年も同じ店で買いに来てくれている『本当のお客様』には高く売ってる。これは理不尽な話で、家電量販店が適正な価格とサービスを自ら崩壊させている」
言われてみれば確かにネットを駆使できる人間だけが恩恵を受けている世の中になりつつある。自分もモノを買う時はネットで徹底的に調べて1円でも安いところを探してしまう。でも、パソコンを持ってない人、携帯すら持ってない人は、まさに情報社会の難民だ。
「でもね、我々メーカーも、そんなあこぎな量販店があるからこそ生き延びられている。メーカーだから1台でも多く売らなくてはならない。お年寄りがなけなしのお金で買い物をするのを接客するのがつらい・・・」
そんな純粋な気持ちで売っている方がいると知ってちょっと嬉しかったが、言われるように情報の格差は深刻な問題をはらんでいる気がする。
あなたの両親がなにか買い物をするとき、例え実家と離れていたとしても、ぜひサポートとアドバイスをしてあげて欲しい。せめて身内の情報難民は救い出そう!
5 Comments
>cjLEWIS さん
よかったです。
>pace さん
うちのチャリンコはビックカメラで買いました・・・
>INSPIRIT さん
買う側からすれば安いに越した事はないけど、人付き合いが全く無くなる商売もどうかと思いますよね・・
>gonntan さん
お得意さんなのに、高い買い物を『させられて』いる現実。奥が深いです・・
考えさせられるご指摘ですね。
そういう問題も考えてくれてるメーカーの会社員が
いることだけでもうれしいですが・・
私もインテリアの仕事しているので、ネットショッピングでの
価格崩壊によく商売を阻まれます。
今や自動車も同じだね
そうですね、おっしゃるとおり!
ウチは弟が実家にいるので、なんとかなってると思います。