ヘクトールというレンズが好きだ。1938年ライカ製。28mm。広角レンズはあまり好きではないのだけど、こいつと21mmのスーパーアンギュロンは別。とても好き。開放でもF6.3しかなく暗いレンズだから晴天の時しか使用できなかったけど、M9ならデジタルの強み、ISO感度をあげれば夜以外は大丈夫。コンパクトな厚みもお気に入り。
1938年といえば折しもナチスが政権を掌握し武力による進行直前という状況下、このレンズをどのような人が買ったのだろうか。そして第二次大戦中どのようにして戦火を逃れ、半世紀以上も経って当時同盟国だった日本に流れ着いたのだろうか。
もしかすると様々な国を流浪し今ここにあるのかもしれない。沢山の笑顔や泣き顔、嬉しいこと悲しいことをフィルムに収めて来たのだろう。
オールドレンズの楽しみってその写りの描写性は勿論だが、そのレンズが生まれた時代背景やこれまでの歴史を想像しながら使うことに面白味があると思う。
もし仮に最新のデジタル技術でそのレンズが写して来た画像を蘇らせることができたら・・・・禁断の世界を覗き見るようでゾクゾクするな。
2 Comments
はじめまして。
私も最近、ヘクトール2.8cm(1937年製)を手に入れました。
M4につけて使っていますが、70年以上も前に作られたとは
思えないほど満足のいく写り具合です。
おっしゃる通り、オールドレンズは生まれた時代背景、これま
での歴史、どんな運命をたどって自分のところに来たかに思い
をはせるのも良いものですね。同様のレンズでエルマー5cm
(1935年製、コダックが初めてカラーフィルムを市販した年)
を所有しております。
M9ですか。良いですね。自分もライカにはM9のボディを
買っておつりがくるくらいは投資しているのですが・・・(笑)。
おお、綺麗なヘクトールですね。
このレンズも曇っている固体が多いので、
「あまり良く写らない」と言っている方のレンズは曇っていることが多いです。
またレンズ径が小さいので、僅かな曇りは気が付き難いようです。
あまり作例を見る機会が無いのですが、こうやって見ると良く写りますね。
対称型のレンズなので、ディストーションも少なくて建築物を撮るには良いですね。