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被災地の漁港も徐々に動きだし、知り合いの漁師さんもいよいよ被災の中で漁を再開した。とても素晴らしいことだ。東北太平洋側全体が壊滅的な被害を受けた今回の大震災。漁が出来るというのは復興の第一歩だと感動する。
大地震以降、海や釣りに行く気分になれなかったが、いつまでも自粛ムードでは始まらない、我々も久々に海に向かった。場所は静岡の伊東。前日の大雨がウソのように抜けるような青空が広がり、日の出が反射する海はすべてを優しく包み込むように雄大だ。
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しかし、やはり沖に出ると怖い。4人乗りのちっぽけなボート。エンジン付きのボートといえども海に出れば舞落ちる木の葉のようにフラフラと頼りない。たまに大きなうねりを伴った波が来ると、まだ海の神様の怒りが収まってないんじゃないかと不安になるが、深い紺碧の海水を見ていると何故だか心が和む。
人は猿から進化したのではなく、海の生き物イルカから進化したという学説があるそうだ。猿には無い水掻きが退化したと思われる痕跡が人間の手には残っていること、猿は水を嫌い泳がないが人間は太古より水に潜り漁をしていたこと、そして人間の体内の水分量が猿ではなくイルカに近いこと、等々が根拠らしい。
確かに顔や体型は猿に近いが、お風呂に入ってなによりホッとするあの心地よさは、後天的に教えられた快楽というより、水の中から生まれた者が感じる本能的な落ち着きのような気もする。でも、日本猿は水を怖がらず温泉の中に入るか???
進化論はともかく、久々の大海原は嫌なことをスカッと忘れさせてくれる心地よさ。あまりの心地よさに半分寝てしまったほど・・・。午後になると風が出てしまいちょっと欲求不満だけど釣りは中止。自分の釣果は『カイワリ』というアジ科の高級魚が2匹だったけど濃厚な味で旨かった。
津波の映像をあれだけ見せられると海は怖いという印象が未だ残るが、様々な恵みを与えてくれるのもまた海であること、そして我々は海無くしては生きられないということを改めて感じた。
海に対して深い感謝の念と、もう二度とあのような怒りを起こさないでほしいと心の中で手を合わせた。
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