家政婦は見た!（風）

涼を求め昨晩も原宿の馴染みの居酒屋で一杯。カウンターには50代後半のカップルと30代前半のカップルが二組。その間の席が空いていたのでCOCOAと一緒に座る。右側に20代、左側に50代という配置だ。先ずはKIRINラガーの大瓶一気に飲み干す。旨い。
ラガー二本目に入りながらお任せの刺し盛りと肴で食事代わりとする。このひと時がなにより至福のときだ。
右側の20代のカップル、どうやら恋人同士ではなく会社の同僚か同期のようだ。会社の仕事の話や上司の話をやたら大きな声で女が話す。ふと顔を見ると男好きしそうな言ってみれば美人タイプだ。男の方は背中越しなので顔は見えなかったが、どこにでもいそうな平凡な男に見える。
別に聞き耳を立ててるわけではないが、女の声が大きくどうしても耳に入ってくる。どうやら女の方は恋人がいて一緒に暮らしているようだ。男の方も彼女はいるようだが少なからずその女に多少の好意を寄せている感じが窺える。微妙な男心が見て取れるが、それを分かってか分からずか女の方は上機嫌に話を続けていた。

暫し店主と話していて二人の存在を忘れていたが、唐突に女の声が再び耳に飛び込んできた。
「絶対に見るよー！」
「まじで？！」
はて、絶対に見るとはなんぞや？再び聞き耳を立てる。いや勝手に女の声が耳に飛び込んでくる。
「だってメールってロックされてて見れないから」
「メール見れないから？！」
「だから全部の履歴を見るの」
「全部？！」
はて履歴とは？
「メールを勝手に開いたらバレちゃうじゃん。でもホームページの履歴は見てもバレないから、全部チェックするの」
「全部？！」
「掲示板とかなんか書き込んだりしたのって全部分かるじゃん、あとエッチなページ見てないかとか。だからWebの履歴を全部調べるの」
「毎日？」
「そう毎日」
どうやらその女、彼氏の携帯かパソコンの閲覧履歴を毎日全部チェックして確かめてるらしい。
・・・・恐ろしい。確かに小綺麗な美人タイプではあるが、そんなストーカーまがいな・・・
全国の男性諸君！寝る前には『歯を磨け！』『履歴は消去しろ！』『キャッシュはクリアにしろ！』『ゴミ箱は空にしろ！』
※逆もしかりだけどね。