混んでるところが大の苦手のワタクシめは、お盆休みは映画三昧。レンタルビデオを片っ端から見まくる。気になる洋画が無かったので、日活アクションで昭和にひたる。21歳の若さで事故死した和製ジェームス・ディーンこと赤木圭一郎の作品を続けざまに見てご満悦。
“マイトガイ”小林旭、”タフガイ”石原裕次郎に続く「第三の男」赤木圭一郎。日活ダイヤモンド・ラインとして1960年代初頭空前の人気を博した。
その赤木圭一郎主演の人気シリーズ『拳銃無頼帖』を三本連続で観る。『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』『拳銃無頼帖 電光石火の男』『拳銃無頼帖 不敵に笑う男』
出演者がほぼ一緒なので、もうストーリーもなにも全部ごっちゃになってるけど、久々に観たら楽しかった。昔の俳優って良い意味で老け顔だった。タフな色気があった。最近のドラマでもてはやされるジャニーズ系美形顔の『男の子』ではなく、荒っぽい『男』の役者が多かった。
赤木もそんなタフでありながら、小林旭や石原裕次郎とは違った『影』のような孤独感のあるクールな役者だった。
子供の頃によくテレビで観ていたけど、当時は「なんでゴーカート事故で死んじゃったの?」って思っていた。(ゴーカートって遊園地にあるスピードが出ないアレだと思っていたので)
そして、すごく大人だと思っていたら、20歳だったということを後で知りさらに驚いた。どう見ても二十歳には見えないでしょ。
何十年振りかで見たけど、フェイクな昭和ではなく、リアルな昭和がそこには映し出され、登場する拳銃(当時は本物を使っていた)の魅力も然ることながら、クルマやバイク、路面電車やファッションまで、画面の至る所においしいツボが満載。
新人の吉永小百合の初々しさに驚き、浅丘ルリ子や笹森礼子の女優人に加え、コルト使いの宍戸錠、西村晃、二谷英明、謎の第三国人役が異常に多い藤村有弘などが脇役をがっちり固め痛快活劇映画となっている。
どこでもなんでも拳銃をぶっ放すところはご愛嬌だけど、拳銃を構えるポーズの絶妙さは、最近の役者にもぜひ学んで欲しいところ。
三巻見終わって、やっぱり思うことは「どう見ても、二十歳には見えないでしょ!」
もし生きていれば70歳。いぶし銀のような演技がきっと見られただろうに、あまりにも早い死がとても残念。
どっぷりと昭和30年代に浸ったお盆休みだった。
2 Comments
トニーですね。
日活映画好きな私としては、『霧笛が俺を呼んでいる』を空で歌えちゃったりしますが、20歳とは知りませんでした。びっくりです。
あの頃の日活映画って、現実離れしたロマンみたいなもんがあったから、好きです。
あと、役者にすごい存在感というか、オーラがありますよね。
年寄りが昔のことを美化して見てしまうのかも知れませんが、
今、俳優といいたい人が少ないですね。みんなタレント。
TVの安っぽいドラマに出たり、バラエティ番組に出るからでしょうか、神秘的なところがない^^。